・ ガヤルド

€90万(約1.6億円)でマニュアルを取り戻すガヤルド——後期MTに乗っている側から見た HOMMAGE 26

CAVËN Atelier HOMMAGE 26 を上から見た外観
HOMMAGE 26。ボディはほぼカーボンで作り直されている
画像: GFG Style / CAVËN Atelier(出典)

Xで流れてきた。前期ガヤルドをオマージュして、V10にマニュアルを載せて売ります、という話。名前は CAVËN Atelier の「HOMMAGE 26」。ファブリツィオ・ジウジアーロが、ほぼ30年ぶりに自分の案へ戻ってきたレストモッドで、世界25台、改造費は€90万から(約1.6億円・執筆時点の為替目安、ドナー車は別)。

私は後期のガヤルド・マニュアルに乗っている。だから「またMTか」ではなく、「どの世代の、どんなMTの話か」が気になった。

何が発表されたか

2026年10月31日、ラスベガスの Concours at Wynn で公開。CAVËN Atelier が依頼し、ジウジアーロ側(GFG Style)がデザインをやり直す「Designer Series」の第1弾。

HOMMAGE 26 の真横からの外観
真横から。前期ガヤルドのプロポーションはそのまま残している
画像: CAVËN Atelier(出典)

前期オマージュと、後期に乗っている側の距離

ガヤルドの形は、もともとイタルデザイン(ジウジアーロ)の案が出発点で、量産車として仕上げたのはルク・ドンカーヴォルケ率いるランボルギーニ側。HOMMAGE 26 は、その「元の案」を描いた側が戻ってきた話だ。

そして題材は前期。後期ではない。私の後期MTは、工場から3ペダルで出てきた純正のマニュアルで、レストモッドでMTに「寄せた」車とは出自が違う。同じガヤルドのMTでも、棚が違う話だと思って読んだ。

HOMMAGE 26 の6速マニュアルのシフト周り
6速マニュアルのみの設定
画像: CAVËN Atelier(出典)

正直、エンジンの音は前期が羨ましい

正直、エンジンの音は前期が羨ましい。5.0の鳴り方には、後期に乗っていても「あれはあれで別物だったな」が残る。外から見て羨ましい、というやつだ。HOMMAGEが5.0を残し、マニュアルに寄せてくるのは、そこが一番刺さる。

ただ冷静に見ると、前期のマニュアルなら、まだ玉は多い方でもある。希少さで言えば後期MTの方が絞られている。€90万(約1.6億円)かけて前期を作り直す話と、「純正のまま残っている後期の3ペダル」は、供給の話でも棚が違う。HOMMAGEが「お金をかけてでも3ペダルに戻したい」という需要を見える形にした分、工場出荷のまま残っている後期MTの価値は、これからじわじわ上がっていくんじゃないかと思う。少なくとも、値段の下支えにはなりやすいはずだ。

一方で、中身がランボのオリジナル骨格のままなら、壊れるときは壊れるだろうとも思う。カーボンの皮をかぶせても、V10とトランスミッションの性情は消えない。レストモッドで「永遠に壊れないガヤルド」が買えるわけではない。

HOMMAGE 26 のリアとテールランプ
作り直されたリアまわり
画像: CAVËN Atelier(出典)

€90万(約1.6億円)のレストモッドと、今乗っている後期MT

デザイナー本人が描き直した形、8500rpmまで回る5.0、マニュアルだけの設定。惹かれる要素は揃っている。ただ、€90万(約1.6億円)はあくまで改造費で、ドナー車は別。総額で考えれば、純正のまま残っている後期MTとはまったく別の買い物になる。

一方で、今の私の後期MTは、レストモッドではない。工場出荷の純正マニュアルのまま、クラッチを踏んでシフトして、普通に走って、たまに直す。派手な作り直しではなく、乗ることそのものが日常になっている。

筆者の後期ガヤルド(青・マニュアル)
こちらは筆者の後期ガヤルド(6MT)。鈴鹿サーキットでの展示時
画像: 筆者撮影(出典)

締め

このニュースを読んで思ったのは、最近またマニュアルが注目され始めている、ということだ。そして、ランボルギーニ最後の純粋なマニュアル車と言われる後期ガヤルドに乗っている今の自分は、かなり贅沢な体験ができていると思う。

たとえレストモッドでマニュアルが復活しても、工場から3ペダルで出てきた後期MTでしか感じられないものは、きっとある。HOMMAGE 26 は羨ましい。それでも、「こっちはこっち」で残しておく価値がある、と改めて感じた。続報が出たらまた見たい。

出典メモ

※記事内のHOMMAGE 26の画像は、紹介・引用のためGFG Style/CAVËN Atelierの公開画像を使用しています。権利は各社に帰属します。