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ガヤルドのMTは何台残っているのか カーボンボディ化のニュースから調べてみた

ガヤルドをカーボンボディで作り直し、V10エンジンとマニュアルで楽しむ。そんなレストモッドのニュースを見て、ガヤルドオーナーとして気になったことがあります。

もともとマニュアルで作られたガヤルドは、今、世界に何台残っているんだろう。

今回はニュースをきっかけに、メーカーの発表やオークション資料、車両登録サイトを確認しました。

先に答えを書くと、純正MTの世界全体の現存台数は、公開資料からは特定できませんでした。 ただし、米国向けのLP系については「MTは59台生産された」とする資料があり、世代やモデルを絞ると具体的な数字が見えてきます。

その数字が何を数えているのかも含めて、整理してみます。

筆者の後期ガヤルド(MT)の外観
筆者の後期ガヤルド(MT)。鈴鹿サーキットでの展示時。
画像: 筆者撮影(掲載元の記事)

カーボンボディとMTで生まれ変わるガヤルド

GFG Styleの公式発表によると、2026年10月31日に発表されたのが、CAVËN AtelierとGFG StyleによるHOMMAGE 26です。デザインを手がけるのはファブリツィオ・ジウジアーロ。初期の5.0Lガヤルドをベースとする、25台の限定製作計画です。

GFG Styleの公式説明では、自然吸気V10を改良し、GT仕様で540PS、Performance仕様で560PSを発生。そこにマニュアルトランスミッションを組み合わせます。

カーボン化も大きな特徴です。PistonHeadsの報道によると、ルーフやミラー、フロントとサイドのガラスなどを引き継ぎ、外装の大部分をカーボンに置き換えます。車体の骨格まで新しいカーボンモノコックになる、という意味ではありません。

ニュースと詳細はこちらです。

なお、HOMMAGE 26がMTを採用することは公式に説明されていますが、すべてEギア車をベースにMT化する、とまでは確認できませんでした。

HOMMAGE 26の外観
HOMMAGE 26。カーボン製の外装とMTを組み合わせる限定製作計画。
引用 画像: GFG Style / CAVËN Atelier(出典)。画像の権利は各権利者に帰属します。

EギアからのMT化を明記しているETNA

もうひとつ、今回の話で触れておきたいのが、Tedson MotorsのETNAです。

こちらも初期の5.0Lガヤルドがベースで、純正のアルミ製スペースフレームを使い、フルカーボンのボディを組み合わせる計画。77台限定で、全車にゲート式MTを採用するとしています。

特に興味深いのが、ベース車の選び方です。

Tedson Motorsは、純正MT車の希少性を考慮し、主にEギア車をMTへ改造する方針を公式に示しています。ただし、顧客が希望する場合には、もともとのMT車を使うこともあるそうです。

参考 Tedson Motors公式 ETNA

この説明を読むと、「MTのガヤルド」という呼び方だけでは足りないことが分かります。工場を出たときからMTだった車と、後からMTに変更された車は、台数を調べる際には分けて考える必要があります。

Tedson Motors ETNAの外観
ETNA。初期ガヤルドをベースに、カーボンボディとゲート式MTを組み合わせる計画。
引用 画像: Tedson Motors(出典)。画像の権利は各権利者に帰属します。

世代ごとのマニュアル台数を調べる

まず、ガヤルド全体の生産台数は14,022台です。これはMTとEギアを合わせた数字で、ランボルギーニの生産終了時の発表に記載されています。

世代は大きく、2003年に登場した前期の5.0L系と、2008年に登場したLP560-4以降の5.2L系に分けられます。LP系は資料によって「2009年モデルから」と表記されるため、発表年とモデルイヤーを混同しないようにしたいところです。

参考 ランボルギーニ公式 生産終了時の発表 PDF

公開資料で確認できた数字を並べると、次のようになります。この表は現存台数の一覧ではありません。

世代やモデル 資料にある数字 何を数えた数字か
前期5.0L系の全体 総数は特定できず 世界全体の純正MT生産台数も現存台数も未確認
前期Superleggera 9台 有志登録サイトが把握する426台のうち、MTとして記録された台数
後期LP系の全体 59台 Gooding Christie’sの出品説明による、米国向けMTの生産台数
LP550-2 13台 同社の出品説明による、米国向けMTの生産台数
生産末期のLP560-2 50th Anniversario 25台 オークション資料に記載された米国向け生産台数。MT専用モデルとする解説あり

LP550-2などの個別モデルはLP系に含まれます。59台に13台や25台を足すことはできません。 また、2012年に発表された最終フェイスリフトもLP系の一部で、最終型全体のMT台数を切り分ける資料は確認できませんでした。

前期Superleggeraの9台は世界総数ではない

Gallardo Superleggera Registryでは、生産618台に対して426台を記録し、その中の9台がMTとされています。

つまり、「前期SuperleggeraのMTは世界で9台だけ」という意味ではありません。未登録の車両があり、記録された車がすべて今も同じ状態で残っていることを保証するものでもありません。

前期の通常モデルやスパイダーまで含めたMT総数は、この数字からは分かりません。

LP系の59台は米国向けの数字

Classic Driverに掲載されたGooding Christie’sの出品説明には、米国向けに生産されたLP系のMTは、全仕様を合わせて59台と記載されています。そのうちLP550-2が13台とされています。

Gooding Christie’sの該当車両ページにも、米国向けMTのLP550-2が13台という説明があります。

これはLP世代のMTの少なさを考える手がかりですが、あくまでオークション会社による生産台数の説明です。世界全体の数字でも、現在の米国内の生存確認数でもありません。

生産末期にもMTモデルはあった

LP560-2 50th Anniversarioについては、Bring a Trailerの出品資料に米国向け25台という説明があります。Ed Bolianによるモデル変遷の解説では、このモデルをMT専用としています。

なお、出品車が「2014年モデル」とされていても、ガヤルドの生産終了が2013年だったこととは矛盾しません。モデルイヤーと実際の生産年は別のものです。

では今何台残っているのか

ここが、今回いちばん知りたかったところです。

生産時の台数が分かっても、その数字をそのまま現存台数にはできません。廃車になった車もあれば、国外へ移った車、長期間保管されている車も考えられます。中古車やオークションの掲載件数を数えても、同じ車が何度も売られている可能性があります。

正確に数えるには、車台番号で重複を除き、工場出荷時のトランスミッションと現在の状態を確認する必要があります。今回の調査では、そこまで追跡した世界共通の公開一覧は見つかりませんでした。

また、ETNAのようなMT化が進むと、後からMTになったガヤルドは増え得ます。一方で、工場出荷時からMTだったガヤルドが新たに増えるわけではありません。 HOMMAGE 26の25台やETNAの77台も製作計画の数字なので、そのまま現在のMT車の台数に加えることはできません。

現時点で言えるのは、「純正MTの世界全体の現存台数は不明。ただし、米国向けLP系の生産台数を59台とする資料はある」というところまでです。

ガヤルドが再びMTで作り直される面白さ

調べ始めたときは、「世界に何台」という答えが見つかることを期待していました。そこまでの数字は出せませんでしたが、カーボンボディで作り直すほど手をかけるプロジェクトでも、V10とゲート式MTの組み合わせが選ばれていることは印象に残ります。

純正MT車を残していくことも、Eギア車をMT化して新しい楽しみ方を与えることも、ガヤルドを長く走らせる方法のひとつなのだと思います。

筆者のガヤルドのゲート式マニュアルシフトと室内
筆者のガヤルドの室内。ゲート式MTを操作しながら、大事に乗り続けたい。
画像: 筆者撮影(掲載元の記事)

自分のガヤルドも、あとから台数を数える人に「この一台はまだ走っている」と言えるよう、大事に乗っていきたいですね。

参照日:2026年11月7日。限定製作計画や登録サイトの掲載数は、今後変わる可能性があります。