そのクルマと出会った瞬間、すべてが決まった。
2010年式 後期型のガヤルド。
しかも、6速マニュアルで、ボディカラーは希少な ブルーノヴァ。
フルレザー&カーボンの内装、オプションのホイール、ガラスフード、フロントリフティングまで付いた完璧な仕様。
この個体を逃したら、もう二度と出会えない。
そう思えるほど、心が揺さぶられた。
さらに決め手となったのが、営業担当の方との“相性”だった。
私の熱い思いを真剣に聞いてくださり、
「ぜひこの方に乗っていただきたい」と前オーナーにも伝えてくれたという。
車の性能以上に、“人とのつながり”がある──それもまた、購入の大きな理由になった。
審査が通った、その時。
「これしかない」
そう確信した私は、その場でローンの仮審査を申し込んだ。
ただ、内心は通らないだろうと思っていた。
頭金を用意しているとはいえ、さすがに金額が金額だ。
むしろ、「通らなかったら仕方ない」と、自分に言い訳を用意していたのかもしれない。
だからこそ、審査が通ったと連絡を受けたとき、むしろ焦った。
「……マジか、どうしよう」
嬉しさよりも先に、不安と責任がのしかかってきた。
“本気なの?”と笑った妻のひと言
実はこのクルマの話は、何年も前からちょくちょく妻にしていた。
でもそのたびに、「はいはい、夢ね(笑)」と冗談だと思われていた。
だから、今回の件を切り出した時も──
「例のクルマ、審査が通っちゃったんだよね」
と話したら、第一声はこうだった。
「え?本気だったの!?」
家族を守りながら、夢も守りたい
ガヤルドは、決して安い買い物ではない。
住宅ローンもある。子どもも3人いる。
「無理でしょ」「やめた方がいいよ」と言われてもまったく不思議じゃない。
でも、妻は違った。
「生活が苦しくならないなら、いいよ」
そう言ってくれた。
もちろん、それを実現するためには努力が必要だ。
支出の見直し、投資の最適化、ライフプランの再確認。
でも、夢を否定せずに受け止めてくれたこの一言が、何より嬉しかった。
“夢”と“責任”の両立は簡単じゃない
私は家事も育児も、それなりにしっかりやってきたつもりだ。
妻が仕事で帰りが遅い日は、
保育園へのお迎え、夕飯、風呂、洗濯、食器の片付け、寝かしつけまで、
すべて自分でこなしていた。
「クルマを買うために」やっていたわけじゃない。
でも、そうやって築いてきた“家族の信頼”があるからこそ、夢を語ることができたのだと思う。
不安はある。でも、進むと決めた。
10年ローン。アルファードのローンもまだある。
しかも住宅ローンと合わせて、3本立て。
正直、今でも不安はある。
「本当にやっていけるのか」「途中で後悔するんじゃないか」
でも、資産価値はある。最悪、売ればいい。
だからこそ、前を向いて進むと決めた。
夢を見ていた頃の自分に言ってやりたい。
「お前、マジで買ったぞ」って。
▶ 🚀 第3章:頭金をどう作ったか──リスクを取るという選択
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