シリーズ一覧
- 第1章:夢の始まり──手の届かないはずだった、あのガヤルド
- 第2章:支出を整える──夢に向かう足場づくり
- 第3章:頭金をどう作ったか──リスクを取るという選択
- 第4章:妻に伝えた日──“本気なの?”のその先へ
- 第5章:納車までの道──ナンバー申請とガレージ問題
- 第6章:納車の日──キーを回す瞬間
- 外伝:納車直後のトラブル──鍵が回らない!?
キーシリンダー問題を解決し、ついに自分の手でV10を目覚めさせた。
乾いた咆哮が自宅前に響き渡ったとき、ようやく「夢が現実になった」ことを実感できた。
初めてのシフト操作
クラッチを踏み込み、1速にギアを入れる。
金属ゲートを通るときの「カチッ」という音は、まるで儀式のようだった。
ゆっくりとクラッチを繋ぎ、車体が前に動き出す。
「走った…!」それだけで胸がいっぱいになった。
道路に出る恐怖と興奮
正直、走り出した最初の数分は怖かった。
住宅街の狭い道、低速でも響き渡るエンジン音、視線を集める存在感。
大丈夫だろうか──そんな不安もあったが、ハンドルを握る手は震えるほど高揚していた。
国道に出た瞬間、V10の回転を少しだけ上げてみた。
吸気の唸りとエキゾーストの爆発音が重なり合い、背筋が震えた。
「これだ、これが夢見た世界だ」と心の中で叫んだ。
子どもたちと初ドライブ
その日は、息子と娘を乗せて近場を走った。
息子は「すごい音!」「速そう!」と目を輝かせ、助手席の娘は「かっこいい!」と嬉しそうに声を上げた。
あの日、子どもたちと一緒に聞いたエンジン音は、きっと一生忘れない。
18歳の自分へ
ただクルマを走らせるだけなのに、全てが特別だった。
ギアを繋ぐたびに、18歳のあの日に抱いた衝撃が蘇る。
「夢を見ていた18歳の自分」に、胸を張って伝えたい。
「ついに叶えたよ」と。