“夢のクルマ”に乗るには、覚悟が必要だった。
つみたてNISAやジュニアNISAを満額積み立てるくらいには、家計にも少し余裕が出てきた。
でも、ガヤルド──しかも6速MTの後期型ともなると、まだまだ現実とは遠かった。
「このままインデックス投資だけでは、35歳までに絶対に間に合わない」
そうはっきり悟ったのは、30歳のときだった。
集中投資という“決断”
そこから私は、インデックス一辺倒だった資産運用の考え方を変えた。
選んだのは、グロース株への集中投資。
余剰資金のすべてを、選び抜いた2つの銘柄に賭けた。
あえて分散せず、3年間で一気に資産を増やす。
それが、私が夢に辿りつくための現実的な方法だった。
運よくその賭けは当たり、資産はおよそ5倍にまで成長した。
もちろん、心穏やかではなかった。
毎日の値動き、含み益への迷い、急落への恐怖。
それでも、「これはガヤルドのための投資だ」と自分に言い聞かせて、握り続けた。
想定外の“相場高騰”
2020年当時、後期型ガヤルドの6速MTは2,500万円前後で出回っていました。
正直、“夢として眺める”にはギリギリ現実味がある価格だった。
「もし資産が順調に増えれば…いつかは」と、どこか他人事のように考えていたんです。
ところがその1年後──
気づけば、相場は3,300万円にまで跳ね上がっていました。
「資産の増え方より、相場の上がり方のほうが速い──」
その事実に気づいた瞬間、背筋が凍りました。
このままでは、本当に一生手が届かなくなる。
そう感じたからこそ、私は“次の一手”を決断しました。
それでも、まだ届かない
集中投資で増やした資産だけでは、あと一歩届かなかった。
悩みに悩んだ末に、
私は自分の老後資金として積み立てていたインデックス資産をすべて売却しました。
それは、これまで“絶対に手をつけない”と決めていた領域だった。
でも、このまま手をこまねいていれば、二度とチャンスが来ないかもしれない──
人生には、守るだけでなく、攻める瞬間も必要だ。
このとき私は、そう強く感じていた。
家族の未来は、しっかり守る
とはいえ、家庭を持つ身であることに変わりはありません。
3人の子どもたちの進学資金、
そして、妻の老後資金として積み立てている運用資産──
これらには一切手をつけませんでした。
それらは今も、堅実に運用を続けています。
「夢を追う」とは、好き勝手に生きることじゃない。
家族の未来を大切にしながら、自分の夢も諦めない。
その両立こそが、自分にとっての“挑戦”だったのです。