🚗 外伝:納車直後のトラブル──鍵が回らない!?

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夢にまで見たガヤルドが、ついに自宅へやってきた。
積載車のスロープを降りてくるブルーノヴァを、家族と一緒に見守ったあの瞬間は一生忘れられない。
妻が「きれいな色だね」とつぶやき、胸が熱くなった。

そしていよいよ、オーナーとして最初の儀式──キーを回す瞬間がやってきた。


キーが…回らない?

営業さんから渡されたキーをしっかり握り、運転席へ。
深呼吸して差し込み、いざ回そうとした──

……が、回らない。

何度差し直してもダメ。
強めに捻ってみてもビクともしない。

「え?」「なんで?」「ウソだろ…?」

あれだけ夢見たV10の咆哮が、目の前にあるのに鳴り響かない。
納車初日にして、まさかの“エンジン音おあずけ”状態になってしまった。


家族の反応と自分の焦り

子どもたちは「まだ動かないの?」と不思議そうに覗き込む。
妻は苦笑しながらこう言った。

「家くらい高いのに、納車されて速攻で故障とかあるの?」

その一言に、思わず吹き出してしまった。
夢を叶えた達成感と、現実を突きつけられる感覚が同時に押し寄せる。

「確かにそうだよな…」と心の中で苦笑しつつ、これもまた“オーナーの宿命”だと受け止めた。


調べてわかった“ガヤルドあるある”

その日の夜、ネットで必死に検索した。
すると「ガヤルドやランボルギーニのキーシリンダー固着は“あるあるトラブル”」だと知った。

輸入車、特にスーパーカーでは日常的に起こり得る症状。
湿気や埃、潤滑不足でキーシリンダーが固まり、回らなくなるという。

「まさか納車初日に、自分もそれを引くとは…」
苦笑しながらも、妙な安心感があった。


解決までの道

後日、鍵穴を掃除して専用潤滑剤を注入したところ、あっさりと回るようになった。
「カチッ」とした感触と共に、ついにエンジンがかかり、待ち望んだV10サウンドが自宅に響き渡った。

たったそれだけのことなのに、背中が震えるほど感動した。
納車当日に聞けなかった分、その喜びは何倍にも膨れ上がった。

ちなみに使った潤滑剤はこれ


下手によくある潤滑剤を注油してしまうと
返って悪くなることもあるので、鍵穴専用のものを使いましょう!


今だから言えること

その時は本当に焦ったけれど、今ではいい思い出だと思う。
夢のクルマには夢のトラブルがつきもの。
それを笑って語れることも、オーナーの特権なのかもしれない。

「夢を叶える」ということは、決して完璧で美しい瞬間だけではない。
トラブルごと抱え込みながら、それを含めて楽しむこと。
それが本当の意味で“夢を手に入れる”ということだと気づいた。


▶ 次回予告:「第7章:走り出した日──初ドライブの記憶」

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